第三十五話
「戴冠式〜後編〜」
祝賀パーティが終了する頃、カールはきちんとサラの元へ帰って来て、城からの迎えの車に 一緒に乗り込んだ。 程なくしてミレトス城に到着すると、テキパキとメイドの女性が二人を客室へ案内し、笑顔で挨 拶をしてから去って行った。 「あ〜〜疲れたぁ〜」 サラは客室に入るなり、持っていた荷物を床に置き、椅子に身を投げ出した。 「ドレスなんて滅多に着ないから、妙に疲れちゃったわ」 たば ほど そう言いながらサラは髪飾りを取り、束ねていた髪を振り解いた。 その瞬間、カールはサラの美しい髪に見とれてしまい、ドアの前で動けなくなった。 そんなカールの様子に気付いたサラは、にっこりと微笑んで話し掛けた。 あ 「あなたも疲れたでしょ?先にシャワーでも浴びてきたら?」 「……あ、ああ、そうだな」 言われるままにカールが浴室へ行こうとすると、突然サラが後ろから抱きついてきた。 「な、何だい?」 「一緒に入らなくていい?」 「………今日はいいよ。疲れてるんだろ?ゆっくり休んでいてくれ」 どの道、後でもっと疲れる事になるのだから今の内に休んでもらわなくては困る、とカールは つぐ 一瞬本音を言いそうになったが、ギリギリのところで何とか口を噤んだ。 「うん、ありがと。ゆっくり休ませてもらうね」 サラは少し残念に思いつつも、カールが自分の事を心配して言ってくれたので、素直に礼を言 った。 カールは嬉しそうに微笑むと、シャワーを浴びに浴室へと入って行った。 それから数分後、カールが浴室から出て来ると、サラはすぐに駆け寄って彼の髪を触った。 短時間で出て来た為、やはり綺麗に洗えていなかった。 「あ〜、やっぱり一緒に入るべきだったわね」 「ん、まぁ、いいじゃないか。君も浴びてきたらどうだい?」 のぞ 「そうね、覗いちゃダメだよv」 サラはかわいらしくウィンクし、軽い足取りで浴室に入って行った。 またしてもサラに見とれてしまったカールは、しばらくぼんやりと突っ立っていたが、必死に心 ふ を落ち着かせてベッドに腰を下ろし、タオルで髪を拭き始めた。 と さぐ と同時に、神経を研ぎ澄まして周囲の気配を探っていた。 (…近くの客室を使っている人はいない、か。という事は、ここでしても大丈夫だな) よこしま 髪を拭き終え、カールが珍しく邪な事を考えていると、浴室のドアが勢い良く開け放たれ、サ ラが嬉しそうに駆けて来た。 「見てみて〜、似合う?」 サラは浴室に常備されているバスローブを着ており、全身を見せる為にカールの前でクルリと 回ってみせた。 「あなたも着れば良かったのに…」 つぶや サラはカールの姿をまじまじと見ると、残念そうに呟いた。 カールは基地へ戻った時に持ってきた自分の服を着ていたのだ。 サラは黙ったままのカールを不思議そうに見つめ、自分もつられて黙り込みつつ、彼が口を開 くのを待った。 「…サラ」 カールはサラを呟く様に呼び、両手を前に出した。 カールが何をしたいのか察したサラは、差し出された両手の間に歩み寄った。 すると、カールはサラを抱きしめるのかと思いきや、彼女が着ているバスローブに手を伸ばし、 こしひも ほど 腰紐を引っ張って結び目を解いた。 「あっ…」 あらわ 結び目を解く勢いに乗ってサラの体からバスローブがするりと落ち、白い肌が露になった。 は バスローブの下には下着しか穿いていなかった為、サラは慌てて胸元を隠そうとしたが、すぐ ひざ その手をカールに引っ張られ、有無を言わさず彼の膝の上に座らされてしまった。 ふさ サラが頬を赤らめて体を硬直させていると、カールはにっこりと微笑んで彼女の口を塞いだ。 から 軽い口づけを一度だけ交わした後、舌を絡める濃厚な口づけを始めたカールは、ゆっくりとサ ラをベッドに押し倒した。 「…ちゃんと手加減してね」 うる さわ 濃厚な口づけを終え、サラが瞳を潤ませながら言うと、カールはニカッと非常に爽やかな笑み たて を浮かべ、首を縦には振らなかった。 「今夜は無理だ」 「…え?」 「久し振りだから手加減出来そうにない」 「で、でも……」 ば ささや カールは困惑するサラの上に四つん這いになり、彼女の耳元でそっと囁いた。 「大丈夫、力を抜いて」 カールに耳元で囁かれると、何故か断る事が出来なくなってしまうサラは、頬を真っ赤にしな がらも言われるままに体の力を抜いた。 カールは優しく微笑んでサラの耳たぶを口に含み、そのまま唇を首筋に移動させた。 しつよう あいぶ く いと いつも以上に執拗な愛撫が繰り返され、サラは行為を始める前に疲れ切ってしまったが、愛し ひと い男性を迎える為に体を開いた… 翌日、昼前に目を覚ましたサラはベッドの上で少しまどろんでいた。 夜の行為の後にしては早めに目が覚めたのに、どういう訳か体が言う事を聞かず、身動きが 取れなかったのだ。 しばらく休んでからようやく起き上がる事に成功したサラは、伸びをしようとして両手を頭上に や 上げようとしたが、すぐに止めて腰を押さえた。 やはり腰にきている様だ。 しかも今回はそれだけではなく、秘部が妙にヒリヒリと痛んだ。 昨夜の行為はカールが手加減せずにした為、今までで一番激しいものであった。 こんがん 行為の最中にサラは何度も止める様に懇願したが、夢中になっているカールの耳に彼女の声 は届かなかった。 あえ が、どういう訳か喘ぎ声だけはしっかり聞いていたので、ひょっとしたら聞こえないフリをしてい たのかもしれない。 た と しばらく出来なくて溜まってしまったものを、カールは一晩で出来る限り解き放とうと、集中し て行為を行ったのだろう。 サラは隣でスヤスヤと眠るカールの無防備な寝顔を見つめ、小さくため息をついた。 (寝顔はこんなにかわいいのに、カールもやっぱり男なのね…) カールの寝顔のかわいさにウットリしながら、サラは彼の頬を指でツンツンつついた。 みどり すると、カールはゆっくりと目を開き、美しい碧色の瞳に太陽の光が差し込んだ。 「……おはよう、サラ」 「おはよう」 ねぼ まなこ カールは寝惚け眼でサラと挨拶を交わし、のろのろと起き上がろうとしたが、すぐ倒れ込んで うず 枕に顔を埋めた。 「どうしたの?」 「う〜ん…、さすがに俺も疲れた……」 「何言ってるの、眠いだけでしょ?」 サラに完璧に見抜かれていた為、カールは苦笑しながら起き上がった。 「今日はお祭りに行くんだから、早く支度しましょう」 そう言ってサラはフラフラしながら立ち上がり、身支度を整えようとしたが、途端に倒れそうに ささ なってしまい、すかさずカールが彼女の体を支えた。 「やはり腰が…?」 「そうよ。あれだけ好き勝手したクセに、今頃気付かないでほしいわ」 うかが サラはわざと怒っているフリをしてそっぽを向き、こっそりとカールの様子を伺った。 案の定、カールはサラを怒らせてしまったと思ってシュンとなっていた。 そんな表情をされては怒る方が馬鹿らしく思えた為、サラはすぐ満面の笑みを浮かべると、カ ールの頬を優しく撫でた。 「そんな顔しないで、もう怒ってないから」 「…う、うん、ありがとう」 「でもその代わり、今日は一日私に付き合ってねv」 「ああ、喜んで」 元よりそのつもりだったカールは、嬉しそうに笑顔で頷いた。 ちそう 身支度を終えた頃にはもう昼過ぎになっていたが、二人はミレトス城で昼食をご馳走になり、 それからガイガロスに向けて出発した。 にぎ ガイガロスでは一週間程お祭りが続けられるという事もあり、まだまだすごい賑わいを見せて いた。 久々に賑やかな所へやって来たサラは出店を一軒一軒覗き、子供の様にはしゃぎ回った。 (腰は大丈夫のようだな…) カールはサラの後をゆっくりとした歩調で追いつつ、ほっと胸を撫で下ろした。 サラの体も初めての頃から比べれば、だいぶ慣れてきた様だ。 そうしてカールが考え事をしながら歩いていると、サラが小走りで戻って来て彼の手をぎゅっと 握った。 「迷子になっちゃうわよ?」 サラがまるで母親の様な事を言ったので、カールは思わずプッと吹き出して笑った。 「俺は子供じゃないよ」 「ぼ〜っとしてたクセに〜」 とが サラは口を尖らせて言ったが、すぐにカールにつられて笑い出した。 つな それから二人ははぐれない様にしっかりと手を繋ぎ、再び出店を見て回った。 ひ 様々な出店がある中、大半は大したものを売っていなかったが、一軒だけサラの目を惹く出 店を発見した。 サラはその出店の前で立ち止まり、早速売られているものを観察し始めた。 ところせま 宝石細工の店だったので、美しい装飾品が所狭しと並べられていたが、カールはサラが宝石 に興味を持つなんて珍しいなと思いつつ、隣で一緒になって見ていた。 「……やっぱりこれ…ラピスラズリ?」 ひと サラが独り言の様に呟くと、店の親父さんは嬉しそうに頷いてみせた。 「お嬢ちゃん、よく知ってるねぇ。確かにそれはラピスラズリだよ」 「へぇ、こんなに珍しいものがあるなんてすごいわね」 ずいぶん 「手に入れるのに随分苦労したがね」 サラと店の親父さんが話している傍で、カールは話題になっている装飾品を覗き込んだ。 サラの青髪をもっと濃くした様な青い石が使われている、小さいが存在感のある美しいイヤリ ングであった。 「これ、おいくらですか?」 何の前触れもなく、突然カールが値段を尋ねた為、サラは驚きの余り目を丸くした。 一方、店の親父さんは買ってくれるのだと瞬時に判断し、上機嫌で値段を教えてくれた。 サラが呆然と見ている目の前で、カールはお金を払って親父さんからイヤリングを受け取り、 笑顔で彼女に手渡した。 「はい、サラ」 「え、で、でも……」 「きっとよく似合うよ」 「あ、ありがとう」 サラは照れ臭そうにしながらイヤリングを受け取り、早速着けてみる事にした。 |
まるでサラの為だけに存在しているのではないかと思わせる程、そのイヤリングが彼女の青 髪と見事に調和していたので、カールは思わず感嘆のため息をついた。 「やっぱり…よく似合ってるよ」 「えへへ、ありがとv」 ほ カールの褒め言葉は必ず本心から来るものだとわかっていた為、サラは素直に喜ぶと彼の手 を握って歩き出した。 「この石はね、ラピスラズリって言って、結構珍しい鉱石なんだよ」 サラが嬉しそうに説明すると、カールはなるほどと頷いた。 サラは他の女性達の様に宝石の美しさに興味があった訳ではなく、地学的に珍しい鉱石とし て興味があったのだ。 いか カールは如何にもサラらしい、と微笑ましく思っていた。 それからも二人は様々な出店を見て回り、日が暮れるまでたっぷりとお祭りを楽しんだ。 そうして空が赤く染まり始めた頃、そろそろ帰ろうかという事になり、二人が町の外に向かっ て歩いていると、突然目の前に数人の男達がわらわらと現れた。 やさおとこ 「よぉ、ねぇちゃん。そんな優男なんか放っておいて、俺達と良い事しようぜ。絶対損はさせね ぇからよ〜」 リーダー格らしい大男がサラに話し掛けている間に、他の男達は二人を取り囲む様に移動し た。 やから 「ほぉ、ガイガロスにもまだこんな輩がいたのか」 あせ カールは焦る事なく至って落ち着いた様子で呟き、サラは彼の腕にしがみついた。 おく カールが全く動こうとしなかった為、大男は臆したのだと勝手に思い込み、ゆっくりと二人に近 づいて来た。 「へへへ、びびって声も出ねぇのか?じゃ、女は頂いていくぜ」 つか そう言って大男がサラの腕を掴もうとした瞬間、カールは驚くべき早さで彼の腕を掴み、その まま大男をひょいと投げ飛ばした。 「!!」 たた 大男は思い切り地面に叩き付けられたが、余りにも唐突な出来事だった為、状況を把握する のに多少の時間が掛かった。 にら しばらくしてようやく自身に起こった事が理解出来た大男は、慌てて立ち上がってカールを睨 み付けた。 カールも先程までの無表情から一変し、厳しい目つきで大男を睨み返すと、嵐の前の静けさ の様な落ち着き払った声で話し出した。 「この人に汚い手で触るな」 「な、何だと!?」 す 大男はカールの言葉にカッと逆上し、直ぐさま二人を取り囲んでいる男達に合図を送った。 「サラ、下がってろ」 「う、うん、気を付けて」 カールはサラを後ろに下がらせ、わざと男達に囲まれる所まで移動した。 おさ 傍にはまだ買い物客がたくさんいたので、被害を最小限に抑えようと思っての行動の様だ。 なぐ よ カールを取り囲んだ男達は一気にケリを付けようと一斉に殴り掛かったが、あっさりと全て避 ころ けられてしまい、勢い余って転ぶ者が続出した。 「どうした?もう終わりか?」 いか カールが挑発すると、男達はバカにされたと怒ってバラバラに殴り掛かってきた。 挑発も立派な戦術の一つであり、こういう輩が相手の時は特に効果があるらしく、怒りに任せ た攻撃は簡単に見切る事が出来た。 カールは流れる様な動きで攻撃を受け流し、男達一人一人に一回ずつ軽く攻撃を加え、あっ という間に全員を気絶させてしまった。 一人ポツンと残された大男は仲間を見捨てて逃げ出そうとしたが、そんな彼の前に軍服姿の はば 男性が次々と現れて行く手を阻んだ。 「軍警察だ!騒ぎを起こしているというのはお前達だな?全員大人しくしてもらおうか!」 さけ 大男は逃げ場を失い、慌てて倒れている仲間の元へ戻ると、カールを指差しながら大声で叫 んだ。 「悪いのは全てコイツなんスよ!いきなり殴り掛かってきやがったんだ!」 大男の主張にカールは一切反論しようとせず、にっこり笑って傍まで来た軍警察の男性に話 し掛けた。 「手間を取らせてすまないね。ここまで騒ぎを大きくするつもりはなかったんだがな」 軍警察の男性達はカールを見ると、異常な程飛び上がって驚き、慌てて敬礼してみせた。 「こ、これはシュバルツ少佐。お会い出来て光栄です」 「…私の事を知っているのか?」 軍の人間であれば多少顔を知られているとは思ったが、まさか軍警察にまで知られていると けげん は思わなかった為、カールは思わず怪訝そうな顔をして聞き返した。 すると、軍警察の男性達は満面の笑顔で何度も頷き、カールの傍にいた一人が目を輝かせ ながら答えた。 「もちろんですよ、軍警察でも少佐の人気はすごいですから」 「そ、そうか…。で、私も彼らと共に行けばいいのかね?」 「と、とんでもない!少佐が騒ぎを起こすような人ではない事ぐらい承知しておりますよ」 「では、後は任せていいんだね?」 「はい、お任せ下さい!」 あこが 軍警察の人々は憧れの軍人であるカールに会えた事が余程嬉しかったらしく、思い切り浮か とら れた様子で返事をし、呆然としている大男と倒れている男達を捕えて去って行った。 彼らを見送り、カールがほっと一息ついていると、突然誰かが後ろから抱きついてきた。 滅多な事ではバックを取られないカールだが、それは戦闘時の話。 もちろん今回は気配で誰なのかわかっている為、警戒などする必要がない。 「サラ、怪我はないか?」 カールは振り返らずに言い、腰に回された手を優しく握った。 すぐ背後でクスッと笑う声が聞こえ、サラがカールの脇腹から顔を出した。 「ありがと、カール。すごく強いんだね、ビックリしちゃった」 きた なま 「一応鍛えているからね。でもだいぶ鈍ってしまったよ」 じゅうぶん 「そぉ?充分強かったと思うけど…。それに………すごく格好良かったし…」 サラは思った事を素直に口に出したつもりだったが、最後の言葉だけは照れ臭くて小声にな っていた。 それでもしっかり聞いていたカールは、心底嬉しそうに微笑んでサラの手を握った。 「じゃ、今度こそ帰ろうか」 「うん」 つ 二人は仲良く歩き出し、ガイガロスの傍にある基地でジープを借りると、研究所への帰路に就 いた。 かなた あか やがて地平線の彼方から研究所の灯りが見え始め、それを確認した途端カールは急にブレ ーキを掛け、ジープを停車させた。 「…どうしたの?」 まだ研究所まで距離があった為、サラは不思議そうにカールの顔を覗き込んだ。 すると、カールは返事をする代わりにサラを抱き寄せ、すかさず唇を重ねた。 そうしてそのまま激しく舌を絡ませて濃厚な口づけを始め、サラの口を何度も塞いだ。 「ん……やっ………息、出来ないよ…!」 サラは何とかカールの唇を引き離し、瞳を潤ませて抗議した。 しかしカールはサラが何度か深呼吸する間しか待たず、再び濃厚な口づけを始めた。 今度は途中で離されない様にサラの両腕をしっかり押さえ付けていたので、カールの気が済 むまで激しい口づけが続けられた。 数分後ようやくカールの唇が離れると、サラは口を半開きにしたまま目をトロンとさせていた。 激しかったが、その分相当気持ち良かった様だ。 カールはサラの様子を伺うと満足気に微笑み、無言でジープを発車させた。 よいん ひた そしてすぐに研究所に到着したが、まだ口づけの余韻に浸っていたサラは、のろのろとジープ から降り、その時ようやく我に帰って振り返った。 カールは何事も無かった様に微笑んでみせると、ふとサラが乗って来たレドラーの事を思い出 した。 あて 「レドラーは後で研究所宛に送るよ」 「うん、ありがと」 「それじゃ、また」 「あ、待って」 ひたい サラは思い出した様に言って運転席に身を乗り出すと、カールの額に軽く口づけした。 「おやすみなさい」 「ああ、おやすみ」 カールは小さく手を振ってジープを発車させ、基地へと帰って行った。 カールを見送ったサラは大きく深呼吸し、心を落ち着かせてから研究所内に入った。 あき すると、いつも通りステア達が正面玄関で待ち構えていた為、サラは呆れてため息をついた。 ステア達はサラが一人なのに気付くとガックリと肩を落とし、トボトボと研究所の奥へ姿を消し た。 正面玄関に一人ポツンと残されてしまったサラは、疲れていた為に怒る気にもなれず、真っ直 ぐ自室へ向かってベッドに倒れ込んだ。 ●あとがき● カールの初めてのプレゼント… どうしてラピスラズリなんだ?と思う方もおられるかもしれませんが、ラピスラズリにした理由 は単に私が気に入っているからです(笑) 以前テレビで見たラピスラズリの原石に心を奪われ、それを使っちゃおうと決めました。 加工されたラピスラズリは安っぽい印象を受けますが、原石は素晴らしく綺麗なんですv 濃い青の中に星の様な白い点が敷き詰められている石。まるで星空を彷彿とさせる美しさ。 サラの好きなものの一つに星が挙げられますので、丁度良かったと思っています。 「Ziでは珍しい鉱石」という事にしましたが、本当に珍しいのかは謎(笑) 希少価値を上げる為に、珍しいものという設定にしましたv カールがサラにあげた、記念すべき最初のプレゼントですからvv ●次回予告● 戴冠式が無事終了し、ガイガロスで行われていたお祭りも下火になって、町は落ち着きを取り 戻しつつありました。 そんなある日、国立研究所にルドルフから通信が入ります。 明日ミレトス城に来てほしい、との事。 詳しい事情は説明してくれませんでしたが、翌日サラはミレトス城に向かいます。 そこでサラを待っていた人物とは!? 第三十六話 「昇進」 大佐になって初めての夜だね… <ご注意> 次の第三十六話「昇進」は性描写を含みます。 お嫌いな方・苦手な方はお読みにならないで下さい。 カールの望みが叶う内容になる予定ですv |